BLOG2022/11/20

【手作り指輪・金属素材の比較】

手作り指輪の専門店『アトリエ・フランシスカ』で一番多い質問が、長年使う結婚指輪には、どんな金属が向くのですか?

ネットで調べれば、色々な文献から情報を得ることが出来ると思うのですが、私の経験上それぞれの特性をお伝えしたいと思います。

1.プラチナの指輪

*研磨(磨くこと)により高貴で白い輝きを放つのは、他の金属では得られない一番の特徴です。とにかく美しい。ダイヤモンドの輝きを一番引き立てる金属です。

*粘りのある金属なので、若干傷が入りやすいと思います。しかし、傷がついても修理により埋めて直すことが出来ます。仕上げに磨けばピカピカになります。

*変色・変質がない。金属の成分の中に銀(シルバー)が入っていないため空気中の硫黄の成分と反応しないので、黒く変色をしたり、少し黄色味を帯びたりしません。安定した素材です。

*アレルギーを起こしにくい。当店のプラチナには、金属を硬くするためにパラジウムが少々入っています。パラジウムにアレルギーを起こす方には向いていません。自分のアレルギー反応を知りたい場合は、病院に行って、パッチテストをして頂くといいでしょう。

*金属アレルギーは、汗や体液に溶けてイオン化した金属が人体の中のたんぱく質と結合し、アレルギー物質となって起こります。特に、夏は汗をかきやすいのでかゆみやブツブツが出ます。そんな時は、無理に指輪をはめておかずに、皮膚科へ受診して頂き、塗り薬などで完治してからはめて下さいね!その間、指輪は、台所用の中性洗剤でよく洗いしっかり水気を拭き取って乾燥して、保管下さい。

*以上のことより金属の安定性や加工のしやすさより、日本人に好まれる素材です。


2. ゴールド(金)の指輪

*まず、なんといってもカラフルな色味を楽しむことが出来ます。コンビリングといって2種類以上の金属の組み合わせによって、デザインの幅も広がります。


自然派ナチュラル仕上げから~アンティーク調まで艶を落とすとその質感や指輪の表情まで違ってきます。

*純金は、柔らかい素材なので通常金属を硬くしたりその色味を変えるために割り金といって、銀や銅やパラジウムが配合されています。そのため空気中の硫黄の成分と反応したり、銅が酸化により黒味を帯びたりします。よく皆さんがいう『さびる』という変化です。おおよそのものは、金属を磨くと元の色に戻ります。

*プラチナより他の金属が多く含まれるので硬く、少々傷がつきにくいかと思います。

*手の使い方など個人差もありますが、プラチナに比べると比較的変形しにくいです。

*温泉(卵の腐ったにおいのする硫黄泉)で、黒くいぶされた様に変色する。家庭のお風呂に入れる入浴剤では、変色はしませんでした。

*プラチナより安い。(純金は、プラチナより高いのですが割金といって25%は金ではない成分が入っているので純度が下がる分、安いのです。)

*ピンクゴールドやシャンパンゴールドは、日本人への肌なじみがよく特に現代女性に、ピンクゴールドは人気です。


3.シルバーの指輪

*プラチナやゴールドの指輪より安い。

*柔らかいので加工がしやすいのと、レーザー刻印が一番深く入ります。模様や文字がはっきり刻印されます。

*軽い(プラチナの半分の重さ)着けた感がないです。

*温泉(卵の腐ったにおいのする硫黄泉)で、黒くいぶされた様に変色する。家庭のお風呂に入れる入浴剤では、変色はしませんでした。

*巣穴が出やすく、空気中の硫黄との反応で黄色ぽい変色から黒っぽい色へ変化していきます。磨くとシルバー色に戻りますが巣穴が目立ってくる可能性があります。小さなごまの様な巣穴が肉眼でも見えるようになってきます。変色は、磨くことにより綺麗になりますが、巣穴は元には戻らないです。ごめんなさい!

*アレルギーを起こすこともあります。

以上金属には、特性がありそれぞれ長所と短所があります。いずれにしても、長年愛着を持って着けて頂くには、必ずメンテナンス(金属の表面の傷をとったり、いたんだところは、新しく埋めて補修をする)が必要となります。毎日着けるものですので、何年かに1回は、手当をしてあげて日頃のいたみを癒やしてあげて下さい。


《手作り指輪、金属素材まとめ》

お客様の手作りした指輪は、一般的なジュエリーの製法で作られています。金属には、メリットもデメリットもあるので、万能の金属はありません。

柔らかければキズはつきやすいですが、加工がしやすいので細工の細かいデザインにも向いています。

硬いとキズはつきにくいですが、硬すぎて加工がしにくかったりひびが入ったり、サイズ直しがブランドやメーカーにより出来ないものもあります。

長年使用する結婚指輪だからこそ、慎重になるのは当たり前です。

しかし、毎日使用するということを考えると、5年位ごとにメンテナンスで表面を磨き小傷をとりながら一生ものとして、大切に可愛がって欲しいと思います。

キズを恐れる方も多いですが、お二人の歴史として愛おしみ時々磨くことにより生まれ変わった、お二人の結婚指輪と結婚生活を楽しんで頂ければサポートさせて頂いた私達も嬉しいです。

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